船の長さと全長の違い

船の長さとは、小型船舶の検査手数料の算定や技術基準の適用の基礎となるもので、 下図により算定される長さをいいます。 なお、都道府県による船籍票の交付を受けた船舶(総トン数5トン以上20トン未満の船舶)、 漁船登録を受けた小型漁船及び船舶検査証書を受有する船舶については、当該船籍票、 漁船登録票又は船舶検査証書にこの長さが記載されています。 船の全長とは、船灯や汽笛など海上衝突予防法に関係する航海用具の設備基準の基礎となるもので、 船の全体の長さをいいます。 

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航行区域と従業制限

航行区域と従業制限 

"航行区域" と "従業制限"

船舶はその構造や性能などによって航行できる水域が指定されます。この水域を 「航行区域」といいます。ただし、漁船の場合は航行区域の代わりに、その漁種類等によって「従業制限」が指定されます。

これらの航行区域又は従業制限は、その船舶の航行上の条件として船舶検査証書に記載されます。  平成16年11月1日に小型船舶安全規則が改正され、新たに航行区域区分に「沿岸区域」が設定されました。

区  域区分内容
 平水区域  湖、川及び港内等の水域
 限定沿海区域  沿海区域のうち母港から2時間以内に往復できる区域に限定された水域
 沿海区域  日本、樺太本島及び朝鮮半島の各海岸から20海里以内の水域
 沿岸区域  日本の各海岸から5海里以内の水域
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新たに設定された「沿岸区域」は、「沿海区域」に比べて、技術基準が大幅に緩和され、法定備品の追加も少なくなりました。  この結果、2級ボート免許所有者でも、今までより簡単に長距離クルージングや日本一周を行うことができるようになりました。 

小型船舶に関する疑問

小型船舶定員

"小型船舶" とは

総トン数20トン未満の船舶をいいます。   

  (総トン数とは、船舶の容積にその容積に応じた係数を乗じて求めた数をいいます。)

"最大搭載人員" とは 

最大搭載人員は、船の復原力、居住設備等に基づいて算定されるもので、 旅客、船員、その他の乗船者の区分毎の人数及びその合計数が船舶検査証書に記載されています。 最大搭載人員(合計数)は、船の見やすい場所に表示することが義務付けられています。 また、旅客を搭載する場所には、当該場所に収容することのできる乗船者の数及びその質量を表示 することが義務付けられています。

"旅客船" とは

旅客の定員が、12人を超えるものをいいます。

 "船員" 及び "その他の乗船者"とは

 「その他の乗船者」とは、「船員」に準じる者で次に掲げる者をいいます。

  • 1. 当該船舶を管理するために乗船する船舶所有者
  • 2. 貨物の付添人
  • 3. 警備、保安、試験、研究等の業務を行う船舶に当該業務を行うために乗船する者
  • 4. 税関職員、検疫官その他船員以外の者で船内で業務に従事する者    (「旅客」とは、「船員」及び「その他の乗船者」以外の者をいいます。 )

"子供の定員" は

12歳未満の者2人をもって大人1人に換算します。ただし、1歳未満は算入しません。

中古ディーゼルエンジン換装について

IMO-Nox排ガス2次規制導入

平成23年1月1日以降、船舶に設置、換装する場合には、「2次規制適合エンジン」 の搭載が義務付けられます。

規制内容の概略

  • エンジンのNOx(窒素酸化物)放出量が法令に定める基準に適合している事について、国、JCI、 又はNKの承認を受けなければならない。
  • [原動機取り扱い手引き書]について、国、JCI、NKの承認を受けなければならない。 ※上記2項目を受けた場合には、[国際大気汚染防止原動機証書]が交付されます。
  • 船舶所有者は上記の[原動機取り扱い手引き書]及び[国際大気汚染防止原動機証書]を、 船内に備え置かなければなりません。

規制対象外の特例

※ディーゼルエンジンのNOx(窒素酸化物)規制の対象外になる場合

  • 出力130KW(175.5PS)未満のディーゼルエンジン。
  • 現エンジンと換装エンジンが同型エンジンの場合。
  • 換装エンジンが2005年5月18日以前に製造され、現エンジンとの1気筒あたりの排気量が±15%以内である場合。

船灯に係るおしらせ

船灯に係る技術基準改正

平成26年1月1日以降に設置される船灯については新しい技術基準が適用されます。

技術基準改正について

「航海用具の基準を定める告示」に係る船舶検査心得の改正が行われました。

(1) 船灯等について

  1. 射光範囲の光度差を明確化。
  2. 船灯への標示事項を明記。
  3. LEDを使用する場合の取扱い(最少光度を維持できる使用時間)を明記。
  4. IMO総会決議に定められている環境条件への対応。

(2) 施行日平成26年1月1日

   (平成26年1月1日前に備え付けられた船灯等については、従前の例によることができる。)

実施の遵守

平成26年1月1日以降、船灯を装備する場合は以下に留意願います。

  1. 新たに備え付ける場合は、新基準に適合した船灯を装備する。
  2. 現在設置している旧基準に適合した船灯の一部が故障(損傷)した場合、船灯メーカーの推奨する純正部品へ交換が可能な場合は、引き続き旧基準に適合した船灯の使用が認められるが、これが不可能な場合は新基準に適合した船灯にASSY交換する。
  3. 舷灯について、損傷等により片舷の船灯を交換する場合、当該船灯は新基準に適合したものでなければならない。だだし、損傷していないもう片舷灯は交換しなくてもよい。
  4. 両色灯が損傷した場合は、新基準に適合した両色灯又は舷灯に交換する。